小6の2月、俺は中学受験を勝ち抜き近所の中高一貫高に入学することになった。
ここに入学したことが全てのきっかけです。

あいつと出会ったのは中1の時クラスが同じだったからなんだけど、初めて話したきっかけとか具体的にどんなこと話したのかは全然覚えていない。
掃除の班はたぶん一緒だったので比較的早い段階で顔名前を覚えた。普通の眼鏡女という印象だった。

それでも俺の中では比較的話しかけやすい女子だった。

転機があったのは12月だった。

あいつと隣の席になった。
この頃初めて気付いたが、いつの間にか眼鏡が外れていた。
眼鏡かけてる間は顔普通と思ってたけど、それを外すと結構好みの顔だった。
芸能人で言えば平愛梨似なのかな・・・

隣の席になったから、何かと話す機会がちょっとだけ増えた。
特に、英語の時間は隣同士でペア組まされてお互いに英文を読み合うみたいなのがあった。
真面目に取り組むやつとかろくに取り組まないやつとか様々だが、こういう時俺はボケるやつだった。
主に、教科書の登場人物に完全になりきって流暢（風）に英文を読むというしょうもないボケだったけど、あいつは笑ってくれたりつっこんでくれたりした。
今まで笑ってくれる人とかはいたけど、あいつが最高にノリがよくてあいつが最高に可愛かった。

自分の性別は？

そんなことがあれば、女子への免疫がない俺にとってあいつは異性として気になる存在になった。
でも好きまではいかなかった。

中学受験の時同じ塾に通ってた人が好きだったんだが、その子も同じ学校に合格した。
既に好きな人がいるからあいつが俺の好きな人になることはない。もしそうなれば心の中での浮気になる。
でもその好きな人とは別のクラスで接点がほぼなかったので、その子への想いは正直薄れていた。好きでいるつもりなんだけどね。

結局、この当時俺の中でのナンバー1はあいつなのかその子なのかよくわからん状態だった。
あいつは異性としてちょっと気になるなぁくらいの気持ちのまま中１が終わった。

中２中３ではあいつやその元好きな人とは別のクラスになり、特に何かが起きるわけではなかった
ってか朝の朝礼で表彰されてるの見て知ったけど、あいつ陸上部なんだね。気になってる人の部活を中２で知るって・・・

エスカレーター式で高１に進級。スマホも手に入れた。
中２中３で成績が上がったおかげで（せいで）、ほぼ最下位の順位で特進クラスに入った。あいつはいない。

ここでは何か起こった。昔好きだった人でもあいつでもない人に恋をしてしまったのだ。

結論言うと、告白して振られましたw
たかが知人Bに向けられた笑顔があれならもう恐ろしい人だ。
無理なの承知で何で突撃したんだろう・・・
その上、成績が落ちて高２からは普通クラスに入ることが決まった。

失恋した俺はあいつで癒されたいと思い、高２ではあいつと同じクラスになれるように強く願っていた。
ある日、別の用件で落ち込みながら掃除している時に、あいつに遭遇して「有が落ち込んでるの珍しいwwww」って天使みたいな笑顔で声かけてくれたこともあって、同じクラスになりたい気持ちは強まるばかりだった。ちなみに中１の時は苗字で呼ばれてました。

中２から高１まではさっと流したけど、ここからが本題です。

高２始業式の数日前、友達から新しいクラス表の画像が回ってきた。
自分のクラスを確認した後真っ先にあいつのクラスを調べた
結果は・・・4分の1の確率を引き当てて見事同じクラスになりました！思わずその場でガッツポーズしたw

さぁ同じクラスになりました。ちょっと気になる女ということもあってびびって話かけにいく事なんて出来なかった。4月は席も遠かったし。
話しかける勇気なくても連絡先くらい欲しいなと思った俺は、ナチュラルに連絡先をゲットできる方法を考案した。
クラスの司会進行役的な男にクラス全体のラインのグループを作るよう提案。すぐ作ってくれた。
さぁこれで連絡先が手に入る、俺はニヤニヤしていた。メンバーが増えていく。だがあいつは入って来ない。
あいつラインやってねーのかよ・・・これは予想外だった。

結局、遠くからあいつを眺めてただけで何もできずに4月は終了した。

最初から告白して振られたって書けよ…

ここでスペック投下

俺→黒田有（メッセンジャー）
162センチ、普通体型、帰宅部、趣味特技なし、顔はメッセンジャー黒田似

あいつ→平愛梨
155センチ、細身、筋肉質、貧乳、男子並みのショートヘア、陸上部、ボーイッシュな性格と雰囲気、顔は平愛梨似

高２以降で平と初めて会話できたのは思ったより早く、5月冒頭だった。

この日は遠足だったんだが、どこ行って何やったか全く覚えていないw

帰りのバスは、俺が窓際の席でその隣に友達が座っていた。
そして、通路を挟んで友達の隣には・・・平が座っていた。
ここでの大チャンスを珍しく俺は逃さなかった。
俺は友達がトランプその他を持ってきていたのを知っていたので「隣の人も誘ってトランプでなんかやろうぜ」みたいなことを3回くらい連続して言った。俺は必死だった。

結局、俺と平を含む5人くらいで大富豪をすることになった。
俺は席移動をして平の後ろの席に座った。ちょっと距離が近くなった。やったぜ。

大富豪は、平うんぬん関係なく普通に楽しく大盛り上がりだった。

でもやっぱり俺の意識を釘付けにしたのは平だった。

カード配る時とかに指先と指先が触れ合ったんだけど、それだけで悩殺された。
途中花札もやった。ルール知らないのが俺と平だけだったので、知らない者同士でやったらということになった。
もちろん友達に教えてもらいながらだけど、ルール全く理解出来ないwこの絵はこうとか知らねーよw
よく分からないまま俺と平は「コイコイw」は連呼してた

結局俺達は最後までカードで楽しみ、俺は恋恋を楽しんだ。

5月は、非常にラッキーだった。

うちの理系クラスで、社会の選択科目が世界史、日本史、地理などに分かれている。
俺は自分のとこの教室で地理を受け、その他を選択してる平は他の教室に行って授業を受ける。

5月最初の授業、俺が座る席には大量の教科書類が置かれていた。
誰だよこいつ、と思いながら教科書の名前をみると「平愛梨」と書かれていた。
うちのクラスは月1回席替えをして、地理の授業は1年間同じ席。つまり5月は平の席で授業を受けるのだ。

待って待って、教科書に誰だよコイツって言ったの？

しかもなんで人の席で授業受けてるの？

教科書類が邪魔なのでそれらを一旦机のなかにしまったんだけど、机にはアニメキャラみたいなのが描かれていた。
絵の右隅には「エレンイェーガー」と書いてある。誰だよこいつ。

しかしこれをチャンスに思った俺は机に「教科書は机の中に入れておきました」と書いてエレンの右側に吹き出しをつけた。
これの反応を聞こうと思い、休み時間に平に話しかけた。

俺「机の絵に吹き出しつけたの俺やけど気付いた？」

平「あれ有やったんかw気付いてたwアトピー今後から吹き出しは絵の左側につけて欲しいwwww」

俺「次からそうするわwwww」

反応は悪くないようだ。書いてよかったわ。

アトピーだったってこと？

実際、次の授業からも吹き出しをつけて下さいと言わんばかりにまた何か書いてたからそれの左に吹き出しをつけていった。
地理の先生が話聞かなくてもいいような糞な授業なのも幸いして、何書くか考える時間はたっぷりあった。
机でやり取りをするにつれ、俺は自分で画を書いたり、机にストラップを置いてそれの左に吹き出しをつけるなどバリエーションを増やしていった。
やり取りする度に何かしら反応してくれたり笑ったりしてくれるのが最高に嬉しかった。

そんな幸せな状況でも俺には1つ不満要素があった。
まだ連絡先を持っていなかったことだ。

そこで俺は机ネタにあやかって、何かのキャラに俺のメアドを言わせた。
相手が携帯を持ってなかったら失礼になるけど、それでも俺は突撃した。
その日の机を平の女友達に見られたのを遠くから見てた俺は、それはもう恥ずかしくなっていきなりその場でスキップしだして周りに不審に思われた

3日後、見知らぬアドレスからメールが来た。平だった。やったぜ。やつはいまだにガラケーだった。

「黒田有か？平だけど」という確認メールに何を血迷ったのかハートの絵文字を入れて返信し「きもいwwww」と言われた
結局用件としては明日の宿題のこと聞いてきただけだったwしかしそのことは俺もわからないことだったので「この役立たずwwww」と言われその日のメールのやり取りは終了した。

もうこんなことやってるうちに俺は完全に平の事が好きになっていた。

だが俺には致命的な欠点があった。

話を合わせる趣味とか話題がなかった。
何なんだろう・・・何か趣味らしい趣味を作るのが嫌なんだ。趣味の〇〇やってますみたいな雰囲気作りたくない。

平は進撃の巨人が好きらしい。
俺はそんなことを知っていても、たとえ好きな人がハマってるマンガ（アニメ）だとしても興味すら持とうとしなかった。
自分が努力するのが大嫌いなんだ。

後、平を遊びに誘うという概念もなかった。
休日は部活したり友達と遊んだりするんだろうから誘わないでおこうという遠慮心もあったが、もし遊びに行くとして何したらいいかわからない。
平はカラオケが好きらしいがそんなとこ行ったら俺は曲のレパートリーのなさで大変な思いをするだろう。

吹き出しつけるのが趣味ってことはないの？

5月同様、6月の冒頭も素晴らしい出来事が起きた。

この日はテスト期間真っ只中で、午前中はテストで昼からは何もない日だった。部活動とかも原則禁止。
俺はこういう時期図書館とか学校で勉強したいタイプの人間で、この日は学校に籠る予定だった。

１人で適当に飯を買って教室に戻る。誰か一人くらい残って勉強するやつくらいいると思ったからそいつと飯食おうとでも思ってた。
・・・友達皆帰ってましたw やばいよやばいよ、ぼっち飯とか嫌だよ。

でもよく見ると教室に１人いたんだよね・・・平だった。

俺の日本語力ひどいな…
もっと推敲すればよかったわ

これ全く惜しくないって両思いだからってこと？

どうやらあいつも弁当持ってたんだけど、一緒に食べるやついないんだわみたいな空気醸し出してた。
他クラス行って一緒に食べる友達探そうかとも思ったが、俺平どちらからともなく

「一緒に食べる友達いないの？」

「ぼっち同士で食べようぜwwww」

何と！平と！二人きりで！ご飯を食べることになったんです！
話を聞くに、昼から校内で用事があるけど友達皆帰ったからぼっち飯するとこだったという俺とほぼ同じ状況。
1000年に1度の奇跡だと思った。

早速平の所に向かい近くの机をくっつけようとしたが

「同じ机で食べよう」

と言われ即死しながら平の机にから揚げ弁当（360円）を置いた。

平然を装ってたつもりだけど心の中かなりテンパってたから相手にどう映ってたんだろうなぁ・・・
前述の通り合わせる話がなく苦戦が予想される俺だったが、テスト期間だったのでそれ関連の話題で何とか話を繋ぐことに成功した。
食事中は周りの教室も過疎状態だったのでほぼ二人きりの状態だった。
超最高の１日だった。

次の日のテストの点数が悪かったのは気のせいです。

6月某日の放課後、突然何者かが俺の背後から近付き

「数学教えて」

と言ってきた。美女だった。この手の事を男である俺に聞いてくるあたりこれはすごい名誉だと思う。
そういえばこいつ今日の数学の時間爆睡してたもんな・・・

この依頼ほどおいしいものはなかった。
もちろん話す機会が増える。そこそこ近い距離になれる。話題がない俺でもこの手の話題ならいける。

その日やった問題の解き方の大筋を俺が教え、それを聞いてあいつが問題解いて間違ってたら俺がいろいろ言う。
俺ちょっとどもり入ってるんだ。教え方も正直そんなに上手くないと思う。でもあいつはちゃんと聞いてくれた。超かわいい。

その日以降も、あいつが部活うんぬんで休んだ次の日とかは主に放課後に俺に数学を聞きに来てくれた。

これは二人きりでご飯食べられた事にも関係するけど、1学期の高２生は受験勉強するという自覚がない。
なので放課後に自習室や教室に籠る人が少ない。
つまり俺が平に数学を教える時は二人きりの時が多かった。

ある日、真面目に数学やってる人にこんなこと言うのもどうかと思ったが

俺「今まで好きになった人とか付き合ってた人っていた？」

何で過去じゃなくて現在の事を聞かなかったんだ・・・

平「小学生の頃そんなに好きでもない男子に告白されてよくわからんまま付き合ったことならある。カップルらしい事何もせずに自然消滅したけど」

俺「俺も小学生の頃ほぼ同じようなのある。相手ブスやったけどw」

平「おいwwww」

何故ならばさっき恋愛事情聞いたかと言うと、そろそろ告白したかったからだ。
本当に１日中平のことしか考えてなくて息苦しかった。

例えば授業中

先生「黒田、これの答えは何だ？」

俺「（平）」

この言葉が喉元からでかかったことが何回かあった。危なかった・・・
何かもう恋心に全てを押し潰されそうだった。とりあえず告白してそれから解放されたかったんだろうね。

何故ならば？何故？

放課後二人で数学やってる時、平が校内放送で呼ばれたんだ。すぐ終わる用事らしい。俺は１人で教室にいる。

どうしても早めに告白したい、だけど勇気が出ない俺は思いついた。
「もしよかったら・・・」と机の上に書いた。相手が気付いたら告白しよう、気付かなかったらその時はその時。
びびりの俺らしい行動だ。

あいつが帰って来た。
最後まで机の文字には気づかなかったようだ
歯がゆい・・・歯がゆい・・・

1学期のうちに想いを伝えることは出来なかった。

さて、周りの人は俺達の事をどう思っていたのだろうか？

「クラス内カップルってないの？」

「んー、有と平さんのところが怪しいかな」

「やっぱりそうだよね」

というひそひそ話が俺の耳に入ってきた事がある。

男友達からは、「有、平さんに告白したら絶対成功するぞ！」とか「有の嫁の平さんが～」といった平いじりをされるようになった。

俺は誰にも「平が好きだ」とか「告白したい」とか言ったことはないしそれを否定して、平とはただの友達で恋愛感情はないと主張していた。たぶん誰も信じてないけど。
顔がタイプなのは周りにもご本人にも公言していた。

平いじりにはまるで煙たいことのように対応していたが、内心はめちゃくちゃ嬉しくてめちゃくちゃ照れていた。

そういうこともあってだろうか、付き合ってるわけでもないのに平は俺の女だという優越感に浸っていた。
勉強教えてあげてるだけなのに。

放課後、家が同じ方向の友達に一緒に帰ろうと言われたんだけど、平の方を向いてどや顔で

「今日は階差数列」

といい断ったことがある。
見事なまでの彼氏気取りだ。

これ平さんレズビアンってことはない？

この頃の俺は調子にのってただけでなく、もう1つ大変な状態だった。
性欲が到来したのだ。

季節は夏だ。夏と言えば夏服だ。夏服と言えば露出度が高い！
二人きりで数学やってる時はそこそこ距離が近いんだ。あいつの左隣に座り、ちょっと机椅子を近づける。
平は陸上の短距離をやっている。そういうやつは大体、エロいカラダつきをしている。
ユニフォームほど露出しなくても平のカラダはめちゃくちゃエロい。

スカートは長めで膝が隠れるほどだが、神秘的でそれがまたいい。華奢で筋肉質で健康的に焼けたふくらはぎは絶品だ。
たまに見える、雄々しさと女らしさを絶妙に兼ね備えた太ももが俺をそそらせる。夏服の半袖シャツからすらりと伸びた細い両腕もいい感じだ。最高級A5ランクの牛肉よりも柔らかそうなお尻も忘れずにな。

そして何より最高なのが・・・やはり、女の象徴とも言えるおっぱいだ。成長過程の女子中学生のような幼少なおっぱいが夏服の薄い生地を必死に押し上げようとしている。たとえ神様でもこんな楽園作り出せやしないだろう。

俺の性欲が爆発したのは7月上旬の数学塾だった。

逆を言えばよくここまで持ったものだよ・・・好きな人と二人きりでそこそこ近い距離、相手はエロいカラダつきでしかも夏服。

「男は女にカラダを触れられると嬉しくなる。その逆もまた然り」

と言う糞みたいな心の中での言い訳のもと、暴走を始めた。

あいつが正解する度に背中をぽんぽん。
また正解しては背中をぽんぽん、さらに正解しては背中をぽんぽん・・・

俺は黒田有似（つまりブサイク）だ。
その上、夏になってもシーブリーズみたいなやつもつけないから臭い汗のニオイもしただろう。

そんなきもいのに至近距離で背中をぽんぽんされる平って人可哀想だな・・・

その日は、「平のカラダ超やわらけーうへへへへ」ってことで気分最高だったが、次の日からは後悔した。

なんと翌日以降、平は他の人に数学を聞きにいくようになったのだ。
妥当と言えば妥当だが。

昨日の事を謝罪しに行きたい気持ちはあったが俺はチキンなのでそんなこと怖くて出来なかった。

夏休みってさ、長すぎない？こんなに平に会えなかったの辛い。

県外の大学にオープンキャンパスに行くことを口実に、お土産渡しに行くわ！と平にメールした。こんなメール平にしかしてない。
が、平はいらんでいらんでの一点張り。結局お土産を渡すことはなかった。

血眼になってYouTubeを検索して、平が走っている動画を発見した。
それを１日5回くらいは見てニヤニヤしてオナニーして夏休みを過ごした。

やっと２学期が始まった。
7月から失速したので巻き返したい。
また仲良くなりたい欲と性欲と早く告白したい欲が溢れていた。

しかし現実はどうだろうか。9月の１日、２日・・・何も起こらない日々が続く。
結局、6日くらいに２学期最初の会話をした。よく覚えてないけど一言か二言のたわいもない会話だったと思う。

２学期以降の平は俺に対して明らかに塩対応だった。

俺と話す時はテンションが低めになり、極力少ない口数で返事されてるのがわかる。ただでさえしょうもない会話がますます続かない。

辛いと言うよりは虚無感だった。

10月は修学旅行だ。

人生の経験上、何か行事事がない限り勇気を振り絞れない人間だとわかっているので、告白するにはうってつけの機会だと思った。
今思えば、この状況で告白するのはやめとけよという気持ちが溢れている。
せめてもう１回仲良くなってからだろ・・・

出来るだけ早く告白したかったので、初日から機会を伺っていた。
旅行中2度3度、機会を見つけては平に話かけに行った。安定の塩対応だった。心が折れる。

平に関連する事以外は、普通の修学旅行で普通に楽しんだ。

特に大きな事が起きずに最終日を迎えた。
やっぱりここでしょ、千葉県浦安市のディズニーランド。
グループの分裂とかいろいろあった末に3人で回る事になった。

開園時の俺は平の事なんかすっかり忘れて人生初の夢の楽園を楽しむ事しか考えてなかった。

男だけのノープランディズニーは、トイストーリーの射撃ゲームから始まり、ビックサンダーマウンテンとかスペースマウンテンを満喫した。
入園前に学校からファストパス？を貰ってたから案外並ばずに済んだ。

午前11時くらいだったと思う。道路の反対側でうちの学校の制服を着た女子6人組が何かのアトラクションに並んでいた。
その中には平がいた。クマのプーさんの被り物してた。似合いすぎだろ死ね。
これの写真はめちゃくちゃ撮りたい。
制服集団に向けて、スタンプラリーのことについて話しかけてみた。あいつらネタばらししてきやがった。
会話の終了間際、デジカメを向けた。みんなちゃんとピースしてくれた。
他のやつはどうでもよかったが、クマの平さんの写真がとれたので大満足。

この写真皆に渡さずじまいに終わったので、俺はただ単にjkの集合写真撮っただけの不審者になってしまった。

アトラクションを満喫した俺達は、夕方、後はお土産を買うのみだった。

適当にお土産を買っていき、5番の店にたどり着いた。
ここでの買い物は一瞬で終わった。その時のレシート今でも持ってるんだけど、3時57分。
店内は人で混雑してたので、友達には「外で待ってる」と言い残し店から出て待つことにした。

遊び疲れてた。胸ポケットからだらしなくパンフレットが飛び出てて田舎者臭丸出しだったけどどうでもよかった。
不意に、俺のうつろな目が見知った制服3人組を捉えた。
右隅は、ミッキーマウスの帽子を被った魔法使い平だった。

午前中より人減ってるけどまあどうでもいいか。

クマの平さんも可愛かったけど、魔法使い平の方が個人的には好きだな・・・

ちょっと見とれていると、心の中の声が突然、

「今って告白のチャンスだよな？」

と語りかけてきた。

修学旅行でのディズニーで好きな人に告白、素敵やん。
今なら友達は買い物してていないから冷やかされる事もないし。

これ以上ないタイミングだと思った。

もちろん、告白して成功する自信なんて全くない。それくらい自覚してる。無理と分かってて告白するのもどうかと思う。
こんなのに告白される平が可哀想に思う。

・・・それでも俺は腹をくくった。
明らかに告白する方がデメリットが大きいが、この機会をなくせば一生告白する事がないかもしれない。
気持ちを伝えられないで死ぬよりフラれた方がよっぽどましだ。

1歩、2歩と標的のもとへ歩いていく。超怖い。
友達買い物終えて俺を呼び止めてくれないかな・・・

そう思いながらも、俺は標的の目の前に立っていた。

俺「3分だけ平を貸して欲しい」

友1と友2が何か言ってたかもしれないけどよく覚えてない

俺「3分じゃなくて2分とか1分で終わるかもしれん。平を貸して欲しい」

友1「うん」

俺「・・・えーと、友2さんもいいかな？」

友2頷く。

そして平が立ち上がり、二人で歩くことになった。地図でいう8番の方向に。
帽子被ったままとか可愛すぎるだろ日本死ね。

俺は終始下向いて歩いてたけど、一瞬だけ左側を見ると、本当に幻覚だと思う、平がニヤニヤしてた。

「この辺で止まろうか」俺はこう言ったつもりだけど小声すぎて聞こえてないようだ。平はどんどん歩いていく。

やがて、ピンクと緑の境目で平が立ち止まり、俺も立ち止まる。

相手の真正面に立ち、両手を自分の体の後ろに回し、肩幅くらいに足を開く。

魔法使いの美しい顔を真正面から見ながら

平の事が好きです。僕とお付き合いして、僕の愛の遺伝子を解明、して下さい

遺伝子の説明は後だ。
どもらずに言えた自分をとりあえず誉めたい。たぶんフラれるだろうけど。

俺が言ってる時は、平ニヤニヤしてたと思う。
遺伝子のところでちょっとフフってなったかな。

「～して下さい」と言い終わったところで平は真顔に戻り

いつ返事したらいい？

この返しは全く想像してなかった。てっきり、速攻でフラれるものと思ってたからな。
超テンパった。

目線を反らし、体をのけ反らせた後、

俺「いつでもいいで。平がいい時に」

平「うん。じゃあまた後日にする」

平が「いつ返事したらいい？」って聞いてきたって事ねw

二人で歩いて元のところへ帰る。
途中、おれはあることを思いつく。

俺「あの・・・ツーショット写真撮りたいんやけど・・・」

フラれて気まずい関係になったらこんなこと絶対できなくなるからな。

平「いいよ」

俺はデジカメを取り出した。自撮りみたいな感じで上から撮れば密着できるやん、そう思った。

平「友1ー、写真撮って欲しいやってさ」

デジカメは友1の手に渡りました。こんちくちょう。横に並んで撮りました。
平は適度な距離を空けようとしてたけど、俺には激しい接触欲があり、不自然に上半身だけを平の方に寄せたので不自然なツーショット写真になった。

♀達にありがとうをいいその場を後にした。友達と合流した。
その後パレード見に行かされたけど、どうでもよかった。

そのまま修学旅行が終わった。疲れた。

ここで、「愛の遺伝子～」って言った理由を説明します。

元々、「告白の時に愛の遺伝子とか言えば面白いんじゃねwwww」とか思ってました。これを面白いととるのは俺だけかもしれないけどwwww
当然不採用にするつもりだった。でもよく考えたら、どんな事言っても告白成功するわけないじゃん。
どうせ失敗するんなら、相手を笑わせたり、（どんな意味であれ）相手の記憶に残るインパクトあることいいたいと思ったからシンプルなセリフより愛の遺伝子を採用した。

修学旅行が終わるとすぐに連休だった。とは言ってもやる事なんて何もない。
返事は後日って言ってたけどあれはいつなんだろう・・・そもそも返事なんて返ってくるのだろうか。
フラれた場合に備えて何を言うかシュミレーションした。

「それでもあなたの事を好きでいていいですか？」

「何かあったら俺に相談して」

など、恋愛の教科書に太字で書いてありそうな事がいくつか思い浮かんだ。

休日最終日の午後11時45分

この瞬間は携帯見てたから来た瞬間すぐにメールを確認した。

予想通りの結果だった。わかっていたけど大ショック。寝てはないけどその場に1時間くらい倒れこんでいた。

携帯を持って立ち上がった。こういう時って何か返信するべき？時間が時間だし。

非常に不可解だが、この時の俺は平に対し怒りの感情を持っていた。
フったというのもあるが、返事はなぜ直接ではなくメールなのだ。俺は直接告白したのに。

様々な感情が渦巻く中で、この当時の俺なりに文章を推敲して、午前2時19分

本当に訳のわからんメールだわ・・・こんなの受信した平愛梨とかいう人可哀想・・・
このメールに対する返事は帰ってこず、相手がこれをどのように受け取ったのかはわからない。

失恋してから最初の学校、平は日直だった。
昼休み終了間際、俺はたまたま黒板付近にいた。
日直は次の授業までに黒板を消さないといけないので、日直の人は黒板を消し始めた。
その瞬間、俺の体は勝手に反応し、余った黒板消しで黒板の右半分を消した。
人が届かない高い所に字が書いてあるわけでもないのに・・・
席に戻ろうとした時、日直の人に小声で「ありがとう」と言われた。真顔だったと思う。
俺は「あ・・・どーも・・・」と返事して席に戻った。

失恋以降しばらくの間、平との絡みはさっきのことだけだった。

平が友達に囲まれている。新品の下敷きで頭を擦られている。下敷きを上に上げる。髪の毛が逆立つ。そんなしょーもないことで一同大爆笑・・・

そういう微笑ましい光景をただ遠くから眺めているだけの日々だった。

顔は超タイプなので目の保養になる、そうでありながらどことない虚無感に襲われた。

2、3週間が経ち、ある程度気持ちが落ち着いた。

大きな決断をした。
積極的に話しかけて行こう！そしてまたいつか告白しよう！やっぱり平が好きなんだ！

ほぼ毎日、何かしら話かけに行った。しかし俺のコミュ力が災いする。

俺「眼鏡姿初めて見たw普段はコンタクトで今日は眼鏡なの？」

平「うん」

俺平「・・・」

平が眼鏡使ってること知ってたけど知らなかったふりして話しかけた

さっきみたいに返事があればまだ良い方で、話しかけたのに無視されることもあった。

平が友達に数学を聞こうとしていた。久々に数学教えられるチャンスやん、と思いちょっと歩み寄る。その瞬間平はノートを閉じ教室から出て行く・・・

メールでも俺の攻撃は続く。

平が早退したある日、文化祭で何をするかが決まった。これをチャンスと思った俺はもちろん頼まれてもないのに平にのみ〇〇が決まったよとメールを（うっきうきで）送った。
平から「あーはいどうも」と返信が来る。それに対し俺は「うふふふふ（ハート）」と返事した。
きもいわwwwwみたいな返事期待したけどたぶん逆効果だった。

平に毛嫌いされてることは重々自覚してる。
その上で毎日攻撃しに行った俺は究極のゴミ人間だ。

11月下旬、平が欠席したので「風邪ひいた？」と何ともジェントルマンらしいメールを送った。
しかし返事は返ってこない。とうとうメールまで無視された。

その次の日、また平が欠席していた。俺は久しぶりに何もない１日をすごした。
補習が終わり、家に帰ろうとしたその時、

「有ー、話があるやってさー」

男にそう呼ばれたので行ってみると、そこにはクラスメイトの女がいた。
この人文化祭の実行委員会の人やったはず。その事で何か俺に用事あるのか？いや違う。

言われるちょっと前にはもう悟ってた。

予想どうりの言葉だった。
俺自身も精神的に疲れてたところがあったかもしれない。楽な気持ちになれた。

俺「うん」

女「愛梨泣いてるで」

真偽はわからないが、偽だと信じたい。

女「後、謝罪のメールみたいなのも送ったらだめ」

俺「いや、送らんわw」

攻撃の芽を摘む用意周到な一言だと思った。

最後に俺は「素直に言ってくれてありがとう」と言い残しその場を後にした。
後日人に聞いた話によると、この件は平が女に俺にそう言うようにお願いしたものらしい。

家に帰って早速アドレス帳から平を消した。でも今までやり取りしたメールは消せなかった。この辺は自分ゲスい。
平に話しかける事ももちろんやめた。

たぶんこの頃からだったと思うけど、平には「たら」というあだ名が定着した。
俺もたらって呼んでみたい・・・周りの人たちがたらたら言ってる事に嫉妬した。

俺はたらと距離を置くように心がけた。

文化祭の時に、クラス内で食べ物か出し物どっちかをやらなきゃいけないってなってたらは食べ物やりたいに手を挙げてたのでそれを見て俺は出し物やりたいに手を挙げた。

そして何より、クラスを変えた。

高２から高３の間では、特進クラスと各普通クラスとの間でしか異動がない。
俺の場合、最後のテストで現状維持かそれ以上の成績をとれば特進クラスに行ける。
結果は・・・自己ベストを大幅に更新した大躍進だった。たらと別のクラスになりたい一心で勉強した。
特進クラス断る権利もあったんだけど、迷わずにクラスを変えてたらから逃げた。

高２の終わりか高３の始めか忘れたけど、あることを始めた。

平愛梨 Twitterでググる。鍵なしのアカウントが出てくる。そう、あいつのツイッターを観察し始めたのだ。

たらとは距離を取ったってあるけど、やっぱり気になるんだあいつの全てが。
俺ってストーカー気質なところあるんだな・・・
俺はツイッターをやってないので、このことが相手に知られることはない。悪質・・・
とりあえず、中３ぐらいまでのツイートを遡ってざっと流し読みした。俺の事について書いてあると思われるツイートは何1つない。

高３の内は一言も口を交わさなかった。
他クラスから眺めてるくらいだった。

あいつ高３以降、男子と話す機会増えたなぁと思うようになった。
しかもけっこう親しそう。
特に仲良さそうに見えるのは二人やな。二人とも高２の時俺とクラスメイトだったけどあまり絡みはない。

ちょっと待てよ、たらとあいつら仲よすぎやろ一緒におりすぎやろ・・・・・・・・・・・・・・

高３の頃には「有がたらに告白してフラれた」って事はけっこう知られていた。たらが人にばらしたらしい。

ある日、高２のクラスのメンバーと一緒にいて、いつも通りたらにまつわる自虐ネタを披露した。

俺「やり取りしたメール全部残してるわwwww」

友達「wwww」

夕方、一緒にいた口軽男が俺の元を尋ねてきた。

口軽「さっきたらと」

～～～～～～～～

口軽「有がたらとやり取りしたメール全部残してるって言ってた」

たら「まじできもい」

中略

たら「有には、あたしは〇〇と付き合ってるって伝えてて」

口軽「××とも仲いいけどどんな関係なの？」

たら「××とは普通に仲いいだけ。本気で付き合ってるのは〇〇」

〇〇の方か・・・まぁそっちとはスキンシップ取ってたくらいやしそっちやろうなぁ・・・

あああああああああああ

真偽は知らんけどなんかガチっぽい気がする・・・

ツイッターを確認してもわからないし〇〇とかたらに確認しに行くこともしなかった。あんまり絡んだ事ないけどあいつ話やすくていいやつだと思うよー

あああああああああああ

さて、重要なのは進路です。

俺は、たらと別のクラスになりたい件以降勉強に燃え尽きて成績が落ちた。
センターも散々だったので前期のランク下げて受けたんだけど落ちた。後期も落ちた。無事浪人生になった。

ツイッター情報によると、たらも浪人らしい。〇〇と××はそれぞれ県外の大学に受かったのでもし付き合ってるなら遠距離恋愛って事になる。

恋愛とは話が反れるんだけど、俺は後期受け終わったあたりから、もし浪人ならめっちゃ本気で勉強して旧帝大行こう！って燃えてた。そりゃもう半端ないよ。まじぱねぇよ。

そうしてきちがい行動に出た。

親戚以外の連絡先全部消したりブロックした。人と絡む時間なんて勉強の邪魔だとか思ってた。はい完全なぼっちです。

自分で計画立てて勉強する宅浪が最強にして最強と思ったので親に宅浪めっちゃ申し出たんだけど、さすがに無理だった。その辺の予備校に入れられた。お互いにとって幸運な事にたらは別の予備校行ったらしい。

予備校には特に仲いいやつもいた。でも人と話す時間は無駄だから、予備校始まった最初の数日間は、やつらが何話しかけてきても徹底的に無視した。たらが俺を無視した時の事をイメージしながら無視した。狙い通りぼっちになった。

とは言っても8月、県外の大学行ったとある友達と会わなきゃいけない用事が出来たのでそいつ含む3人とだけ関係を復興。飯も食いにいった。その時に写真撮られてツイッターにものせられたけどファボいっぱい来た。みんな俺の事不安に思ってるらしい。みんないい人ありがとう愛してる。

受験勉強もしながらもたらのツイッターは監視してた。ついでにたらのアカウントからたどって他の人のツイートも見てた。

性欲ならぬたら欲はそのままだった。やっぱりたらで毎日オナニーはするしあいつの名前に入ってる漢字見ただけで勃起した。

センター試験の会場が同じでばったり遭遇するなんて奇跡おこらないかなぁ・・・
時効が過ぎた、なんて事は全く思ってない。けど、普通に話せるくらいの関係に戻りたいなぁ・・・

俺のセンター試験の会場は近所の大学になった。ツイッター見たけどたらの試験会場はわからない。たらに話しかけるつもりは一切ない。あんだけ嫌われてるんだから。ただ、ちょっと見たいなぁ・・・

試験初日、ちょっと早めに会場に着いた。自転車を出来るだけ最寄り駅の近くに置いた。もしたらの試験会場がここならば間違いなくこの駅を利用するだろう。

試験会場では何人か知り合いを見た。その中にはたらと同じ予備校のやつもいた。あいつもいるのかな・・・？
聞いて見たかったけど、俺ぼっちだし唐突にたらの話題出すの怖いし第一今日センター本番だぞ・・・

英語の筆記とリスニングで死亡して失意の気持ちで初日のテストが終わった。
さぁ帰るか、自転車まで人混みの中をけっこう歩かなきゃいけないな。なんで自転車なんかを駅の近くに止めたんだよ・・・

あともうちょいで自転車が見える、という時だった。人混みの中のざわざわ音の中から俺の耳が聞き慣れた声を見つけた。声色、話すリズム、スピード・・・これは間違いないと思い、後ろを振り返った。

やっぱりだよ・・・私服姿見るのは初めてだよ。今日は眼鏡かよ。俺の会いたい人ランキング第一位、たらだった。

俺の知らない女と一緒にいる。予備校で見つけた友達なのかな？
すごいシンプルな私服、ジーパンに白色のパーカー。めっちゃかわいい。

結局、初日はたらを見かけただけで何もしなかった。

毛嫌いされてるしセンター本番なので話かけに行く予定なんて全くなかったんだけど、

やっぱりたらとおしゃべりしたい！
せめてたらと普通の関係くらいには戻りたい！

次の日に話しかけに行く事を決心した。

センター二日目、昨日よりちょっと早めに会場に着いた。

駅の時刻表見てきたけど、そろそろ来るかな・・・
会場の外でたらが来るのを待ちながら無機の確認をしてた。

しばらくすると、緑のパーカーのたらが現れた

たらはそのまま俺の前を通りすぎ、控え室みたいなとこに入っていく。あとをつけると、その中で自習してた。
俺は、微妙に近いんだけど柱でたらの死角になってる席に座り勉強と観察を始めた。

自習が終わり、たらが試験会場に入るまでの間、俺はたらのちょっと後方をぴったりつけていた。もうこれ完全にストーカーだよ・・・

俺とたらは同じ建物の隣の教室だった。

数1Aが終わった。N進法なんか選ぶんじゃなかった。
長い昼休みだ。

飯を一瞬で食べ終えた俺は、やる事を決めていた。
トイレで落ち着いた後、隣の教室に入った。
入口から直進して奥から２番目の席、標的は昨日の友達と談笑していた。

よーし、話しかけに行くぞ話しかけに行くぞ話しかけに行くぞ・・・
真っ直ぐ歩こう。

気持ちは真っ直ぐ歩いたつもりだったけど、俺は左に曲がっていた。
他の予備校行った友達と1、2分ほど談笑していた。
たらに話しかけるのが怖すぎて一旦間を取ったんだろうね。

仕切り治して、たらの方めがけて歩いていく。
だが立ち止まった先はたらの斜め後ろの席だった。
同じ予備校の、俺が最初に無視し出したやつだ。

「数学どうやった？」

なんでこんな事聞いたんだろうか。
友達はものすごい笑顔で「久しぶり」と言ってくれた。
俺は4月あいつを無視してたのに・・・
あいつとの友好は復興し、ちょっと外に出て空白の期間の出来事や次の教科の事を話し込んだ

部屋の中に戻った後も話し込んだ。
ただし目線はずっとたらの方を向いている。
今度はたら含む女2男1で談笑、勉強しているようだ。元クラスメイトだから知ってるやつだ。

そろそろ時間か、という時になったので、友達には別れを告げた。
そのまま真っ直ぐ帰れば良かったのに、
たら御一行の目の前で立ち止まった。

俺が言葉を発っそうとしたら男が

「お、おう」

と気まずそうに声をかけてきた。

これを無視するのはよくないと思った俺は

「お、おう」

と同様に返した。

あいさつも終わったので、

俺「平ー」

平は手に持ってた教材で顔を覆う

俺「平ー」

さらに深く顔を覆う

俺「平ー」

さらに深く顔を覆う

やっぱりやるべきじゃなかったんだよ・・・
そう思っていると、

女「そういうのは、テストが済んでからにしようか(笑)」

誰がどう見ても分かる苦笑いだった。

さすがにこう言われると退散するしかない。
次のテストもあるし。
跳び跳ねるように退散した。

次の休み時間は、相手の教室には入ってないけど友好が復興した友達と外でアイス食いながら談笑した。

最後の理科が終わった瞬間、俺は誰よりも先に自分の教室を出た。

もちろんあの教室に入る。
いなかった。逃げ足速いなあいつ。
友達には、名前は出さなかったが「あの人どこ行った？」と聞くと、「もう帰った」って言ってた。
家の方向同じなので一緒に帰る予定だったけど、用事があるから一緒に帰れないといい駅に向けて猛ダッシュした。

ちなみにこの日は雨でした。

駅の入口付近に着いた。緑のパーカーが目立つ。被害者たらが立っていた。昨日の友達と一緒だった。

俺と目があった。
その瞬間、駅の構内向けて一目散に走って逃げて行った。陸上で短距離やってた人やで、めちゃくちゃ速いww

友達「あ、愛梨！」

取り残された友達はきょとんとした目で俺を見てきた。しばらくすると友達は駅の構内に入って行った。

ここはどうすればいいんだ俺・・・
家に帰るのが最良にして最良の選択肢なのは間違いない・・・

だが俺は血迷った行動をした。
駅の構内に入って行った。

中に入り、たらを見つけた。
次のやつがしばらく来ないのは昨日調べたので知ってる。
もうたらに逃げるスペースは残ってなかった。
友達を盾にして俺から身を隠していた。

俺がちょっと左に行く。たらは友達を中心に左に回る・・・
こんなことをしばらく繰り返した。
なんだこの世界一不毛なせめぎ合い・・・

通報しますた

仕掛けたのは俺だった。
大きく一呼吸置いた後、

だめ・・・かな？

たらによる、ものすごい即答だった。
その瞬間、体が勝手に動いた。

頭では何も考えてないのに、俺は一目散に駅から出た。
本能的に、ここに居座るのはだめだと感じたんだろうね。

雨の中、独りで家路に着いた。

家に帰って真っ先に平愛梨 ツイッター で検索した。
俺の名前は出してないけど、めちゃくちゃにツイートしてた。

いやもうホントにめちゃくちゃだったよ。
死ねとか殺すとかはもちろん、その他多数のdisりツイートだった。
最初見た瞬間、その場に携帯投げ捨てたww

俺ドMだからある程度は大丈夫だと思ってたけど、これはまじでへこんだ

それだけのことはしてるかもなｗ

結局センターの点は・・・
現役時と全く変わらずwwww

なんでだろう・・・
8月頃だっただろうか、スマホで「なんj」とか「vip」って言葉を知った。
それから毎日、家いるときずっとそれ見てたからかな・・・
予備校では真面目に勉強してたぞ

国公立は現役時と全く同じ所に出願ww

結局前期合格しましたww
春から大学生ですww
県外で独り暮らしですww
ツイート見たけどたらも合格して春から大学生だそうです
遠くの県だけど。

友達にはツイッターのアカウント無理やり作らされました。でも今はログアウトしてます。何も呟いてないしその友達しかフォローしてないです。

自分からぼっちになった分際、どう接していったらいいかわからないし、何よりツイッターなんかやってたら間違いなくたらにブロックされてツイート見れなくなるからです。

正直、今でもたらとはせめて普通の関係に戻りたいと思ってます。たぶん無理でしょうwwww
たとえ何県だろうと、俺はたらの前に現れるかもしれません。

数学教えてた時の、ボディタッチ辺りから空気が悪くなった気がします。
今現在も、お気持ちが変わらない様でしたら、一旦距離を置き、ご自分を磨いてから、
改めて、お話ができる様になれる様に、お祈りしてますよっと。

あと、相手が可愛すぎるのも問題ですよねｗ

言い方は悪いですが、今後はどうされるおつもりですか？

４月から新生活がはじまるという事ですので、
一旦タラさんから距離を置いて、学園生活をエンジョイするのが良さそうですが。

なんか俺みたいな感じでワロタwwwww…………
くそっ、世の中不平等過ぎる…

大学で良い人見つかるかもしれないし、
執着し過ぎないようにねｗ

遠くの親戚より近くの他人じゃないけど、
以外に身近に居る人の方が、良いケースも有るしさｗ

人来るかどうかわからないですがあげますw
大学生活スタートに乗り遅れないようにツイッター初めようと思います。
たらはフォローしない方がいいですか？

やっと追い付いた
マジレスするともう関わってやるな
平愛梨なんて存在しなかったと考えて過ごしなさい
それが彼女の為だ

これ以上関わるとマジでストーカーと認識される
彼女にとってお前はトラウマなのだよ